エルデカルシトール
ステロイドとか使う分野だけに骨粗鬆症診療は日常になっている。ビスフォスフォネート製剤がいろいろ選択できる現在は、骨粗鬆症の治療も進化している。でも歯科治療だったり妊娠だったりビスフォスフォネートに制限がかかることもよく出会う。妊娠のことはいろんな意見があるのでここでは触れない。 よく出くわすのはやっぱり歯科治療。顎骨壊死が問題になってるので、そのリスク回避は確かに大事。でも一律2ヶ月やめるってことに疑問がある。一定の確率で骨折がおきるわけで休薬により骨折リスクも増す。その確率は顎骨壊死が起きる確率より高いという話もある。顎骨壊死は起きたらタイヘンだけど、骨折も大腿骨頸部などはADLを著しく低下させるのでこれも大問題。やはりリスクベネフィットのバランスが大切。そのあたりガイドラインで示されればやりやすいんだけどね。(今はテリパラチドとかも出てきているので、もうすぐ出る新ガイドラインがでたらまたそのへんまとめてみたい。) そんなときビタミンD製剤を投与していることも多い。エルデカルシトールは今までよく使用してきたアルファカルシドールよりも椎体・非椎体とも骨折リスクを下げて、骨密度も有意差をもって上昇している。せめてこんなときはエルデカルシトールにした方がいいかなと思った。それでもビスフォスフォネート製剤には及ばないけど、安全性が変わらなければ効果が少しでも高いものは選んでおきたい。