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被災されたリウマチ・膠原病の患者さま

まずは地震の犠牲になられた方々のご冥福をお祈り申し上げます。そして被災され今もなお苦境におかれている多くの方々に救援の手がいきわたることを切に願っております。 リウマチ・膠原病内科医として、何かできることはないかと思い、この記事を書くことにしました。すでにTwitter等では同様の情報が流れており、重なる情報も多いこと、ご了承ください。 避難されてなかなか病院にいけない状況が現実だと思いますので、そういうときのひとつの目安にしていただければと思います。 ■まずは感染症に注意してください リウマチ・膠原病でステロイドや免疫抑制剤の治療を受けておられる方は、普通の状態でも風邪をひきやすく、時に肺炎などに至ります。避難所にいても暖がとれず体力も奪われている環境では、なおさら感染症のリスクはまします。水があればうがい、なければマスクやタオルをおおう、首にまいて加湿するなど、感染予防に努めてください。 ■ステロイドを服用されているリウマチ・膠原病の患者さん リウマチ・膠原病でおくすりの治療を受けられている方はまず、ステロイド(プレドニン、プレドニゾロン)が含まれているか確認してください。ステロイドは基本的には欠かすことができないおくすりです。特に5mg以上服用されていた方は注意を要します。手元になくなってしまっている場合は、医療機関へ相談してください。5mg以下で病状が落ち着いている関節リウマチの患者さんは急に悪くなる可能性は低いと思いますので、まずは落ち着いてください。 ■生物学的製剤の治療を受けておられる関節リウマチの患者さん 生物学的製剤とはレミケード、エンブレル、ヒュミラ、アクテムラ、オレンシアなど注射のおくすりです。治療を受けて調子がよく安定しておられる方は、薬剤にもよりますが1,2週は受けられなくても大きな悪化はないことが多いと思います。それ以上は一度病院で相談してください。生物学的製剤治療が始まったばかりの患者さんや増量や変更されてまもない患者さんは、早めに相談されることをお勧めします。 生物製剤は感染症のリスクが高い薬剤です。上記の感染予防は徹底してください。38℃を越える発熱が続くときは早めに病院に相談してください。ただアクテムラの方は感染症のときに発熱も少ないので、咳や痰、下痢などの症状があれば早めに病院に相談してください。 ■MTXを服用されている関節リ

リウマチという名前の認識

専門外来をしてるだけあって、リウマチ初診の方もちらほらみます。 ほとんどはリウマチを心配して受診したものの別の診断がなされるけど、中にはここまでがまんされて大変だっただろうにという関節リウマチの方もいらっしゃいます。 Twitterでリウマチについてのつぶやきを見てみると、誤った認識がすごく広がっています。予想以上でびっくりしました。 なんでこんなことになるのか。それは、リウマチって言葉のあいまいさからくるのでしょうか。普通、リウマチって聞いても何のことかわからないですもんね。自己免疫疾患、膠原病、リウマチと、何のことだか、ってかんじになります。実は定義の切り込み方が違うので、すべて重なりがあるんです。関節リウマチはリウマチ性疾患でもあり、自己免疫疾患でもあり、膠原病の一種でもある。リウマチと関節リウマチは正確には同義ではない。この辺の言葉の理解が医師でもきちんと答えられないのに、ましてや一般の方には無理だと思います。 だからリウマチ=わけのわからないもの、みたいな認識がでてきているような印象を受けました。リウマチという名前が入る数の多い疾患である「関節リウマチ」という病気の理解を広げていくこと、これが誤解を解く一番近道かな。そこからリウマチという言葉に立ち戻ってみてもいいのではないかな。最近はそう思います。機会があったらこのブログでも触れていきたいと思います。