ACR2011 ループス腎炎の新ガイドラインが出ました

今年のACRでループス腎炎の新ガイドラインが出たらしいですね。僕は行ってないのでわかりませんが、海外の速報をもとにまとめてみました。そのうち詳細のものがいろいろ出回るでしょう。
(参照: New Lupus Nephritis Guidelines Will Address Therapy


基本的には
  • 寛解導入はMMFか CPA
  • 維持療法はMMFとAZA
だそうです。MMFの位置づけ高いなぁ。

その後少し詳細について触れられていました。

★半月板形成を伴わないびまん性増殖性腎炎
寛解導入療法【推奨A】(複数のRCT,Meta Analysis)
活動性classⅢとⅣ
→MMF 2-3g/日6ヶ月で寛解導入
→CPAはMMFの代替療法
MMFは北米とラテンアメリカではAfrican AmericansとHispanicsで初期療法として望ましい。

つまり人種差があるのですね。日本人はどこに入るんだろうか。

寛解導入療法【推奨B】(単一のRCTまたはnonrandomized study)
CPAで治療をする場合
→500mg iv 2週おき6週間
→または500-1000mg/m2
後者はCaucasiansにしかデータがない。

日本人にはCPAはよく効くし副作用も強いし用量は少なくてもいいかもしれません。このあたり国内エビデンスが必要でしょうか。


寛解導入療法【推奨C】(consensus, ecpert opinion, case series)
半月体形成のないClassⅢとⅣ
→ステロイドパルス3日間を併用し、PSL0.5-1.0mg/kgで開始し数週間後に最小有効量まで漸減する。その量は規定されていない。
ステロイドは6ヶ月は続けるべき。

漸減はこれぐらい早いペースでもいいのですね~。

★半月体形成を伴うびまん性増殖性疾患
寛解導入
→1.0-mg/kg/日以上のPSL。
→寛解導入療法に反応しないときはMMFまたはCPAに移行する。

維持療法
MMFもしくはCPA治療に反応した患者への維持療法はMMF1-2g/日またはAZA2mg/kg/日と低用量PSLで治療する。


★その他補足
  • 腎生検、補助療法、局所病変の患者、classⅤの患者、妊娠中のループス腎炎、モニタリングについてもガイドラインで言及されている。
  • belimumabについて触れていなかった。活動性ループス腎炎での研究がないから。まだ文献が足りない。
  • 20%から35%の患者は寛解導入療法に反応しない。そして多くは反応が遅く52週で治療反応性をおえる。さらに反応率もまだ低い。

2012年にArthritis Care & Researchでpublishされる予定だそうです。

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