関節リウマチは自己免疫性疾患?リウマチ性疾患?膠原病?



今日はタイトルにあるようにリウマチ性疾患、自己免疫性疾患について書いてみようと思います。他にもリウマチ、膠原病などいろんな言葉が飛び交い、いったい何が何なのかよくわからないと思います。これは医師でもきとんと用語が整理されていないからです。その理由はまだまだ原因不明で病気として確立しておらず、時代の流れとともにその呼称や分類が変化しているからだと思います。


みなさんがよく耳にするであろう「リウマチ」。関節が痛くて変形していくというイメージをお持ちでしょうか。これは正式には「関節リウマチ」という病気です。本来ならウイルス・細菌などの外敵から自分(自己)を守る免疫に異常が生じて、自分を攻撃してしまうようになる病気を「自己免疫疾患」といいます。関節リウマチは異常な免疫が主に自分の関節を攻撃してしまうので、自己免疫疾患の1つとされています。「自己免疫性疾患」は病気の原因で名付けているのですね。他の自己免疫疾患には、膠原病といわれている病気(後で述べます)、1型糖尿病、甲状腺の病気などがあります。


一方で、昔から関節があちこち痛む病気があることが知られており、これを「リウマチ性疾患」と言ってました。症状から付けた名前ですね。関節リウマチも関節があちこち痛むわけですから、リウマチ性疾患の1つとされています。有名どころでは痛風もあちこち痛いのでリウマチ性疾患の1つです。


そして最後に「膠原病」。これはKlempererさんという先生が1942年に皮膚組織の膠原線維(コラーゲン)が増える病気として発表しました。「膠原病」とは実は組織の特徴から付けた名前です(症状や原因は関係ありません)。最初は全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、強皮症、結節性動脈炎、多発性筋炎・皮膚筋炎、リウマチ熱(後に感染症と判明)の6疾患だとされていました。今はリウマチ熱を除いた5疾患(関節リウマチも膠原病なんです)と、混合性結合組織病、シェーグレン症候群、ベーチェット病、リウマチ性多発筋痛症、血管炎症候群(ANCA関連血管炎、ウェゲナー肉芽腫症など)なども含めて膠原病と呼んでいます。


まとめると、原因から名付けた「自己免疫疾患」、症状から名付けた「リウマチ性疾患」、組織の特徴から名付けた「膠原病」。関節リウマチはそのどれにもあてはまっちゃうのです。


僕は原因が大事だと思うので「自己免疫疾患」と呼ぶよう努めていますが、よく認知されている「膠原病」という言葉もよく使います。


ややこしいですね。





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